アカデミア美術館~ダヴィデ その1~

入り口付近のミケランジェロ作品に一通り目をやって、
さて、奥へと進もうとする。

否応なく目に飛び込んでくるのが、彼。アイツだ。
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私たちを温かく迎え入れるというよりは
「で、君もオレ様の肉体美を見に来たの?」
「どこからでも好きなだけ見て行きなよ」
そんな威風堂々とした佇まいだった。
これまでミケランジェロの作品を通して私が勝手に想像した彼が
そう言わせているのかもしれない。
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ダヴィデは、旧約聖書に出てくる3メートルもある巨人「ゴリアテ」を
紐と石だけを持って対峙し倒したとされる人物。
ルネサンス期においては彫像や絵画のモチーフとして
「ダヴィデとゴリアテ」はよく用いられている。
ちなみにドナテッロもダヴィデ像を制作しているが
全く違うから面白い。
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当時のフィレンツェは周辺地域との戦闘が続いており、
小国であっても周りを押しのけ立ち向かっていく意思の表れとして、そして
共和制の敵を打ち倒す正義のシンボルとして制作されたそうだ。
ミケランジェロ26歳の作品。やはり天才だ。
そして、完成した数少ない作品の一つでもある。
ここまで忠実に人の体を石で彫ることができるなんて、
「すごい」以外の言葉は見つけにくい。

それにしても、こんな間近で柵も囲いもない状態で
彼を見ることができるなんて。
海外の美術館はやっぱり太っ腹だ。

日本はどこへ行っても、何が来ても囲いやロープがあったり
床に黄色いテープが貼られていたりする。
そんな光景を見る度に、徒然草の「神無月のころ」の一文を思い出す。
「この木なからましかばとおぼえしか」。
全くの余談である。


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by gozirappa2 | 2017-06-13 20:34 | museo | Comments(0)