クーポラに登る
2016年 12月 08日
大人の男性(中肉中背、やや中年太り気味)一人がようやく通れるくらいの道幅。
しかも一方通行になっていないところもあり、
「行き交う人もまた旅人なり」(意味は全然違うけど)なのだ。
この写真の左側に「待避所」のような小さな踊り場があり、
すれ違う必要があったときは、そこでどちらかが待つ。
しかし、体の大きな外国の男性が来た時は
「それもムリ!」という感じでちょっと大変だった。
こんな急な勾配のところもある。
ちょうどクーポラの丸みを帯びた部分を歩いている…。
ここをブレネッスキはじめ多くの画家たちが絵具をしたたらせ
右往左往しながら歴史を作っていったのかと思うと、
疲れを感じるより途方もない時間の流れを感じたりした。
ところどころ、このように意匠を凝らした「窓」が造られていて
外の空気を運んでくれるとともに、下界に広がるレンガ色の街並みを見ることができる。
ちょうど向かい側に立っている「ジョットの鐘楼」。
明日はあそこにも登るぞ!と意気込む。
筋肉痛を心配しながら…。
しかし、スマホのカメラ機能は素晴らしい。
こんな近距離でも手前の格子をキレイにぼかしてくれる。
このクーポラ(円蓋)の構造がよく分かる。
ローマ建築を基本としているそうだが、このように二重構造にすることで
足場を作らず自立(といって良いかどうか微妙だけど)させている。
よって巨大な円蓋はお互いを支え合っているため、
梁がなくともあのような美しい半円球型を維持しているのだそうだ。
昔の人はすごいなぁ。
これは先ほど行った「メディチ家礼拝堂」。
こちらの丸窓のステンドグラスも素晴らしい。
しかし、よく創ると思う。しかも、ここだけではない。
フィレンツェの街中にこうした建築があふれている。
当時のエネルギーたるや、すごいものがあったのだろうなと
タイムトリップできるのであれば、ぜひ行ってみたいと思う。
天井のてっぺんまでぎっしりと描かれている。
遠近画法が研究され始めていたとはいえ、平面ではない丸みを帯びた「壁」に
立体的に、しかも写生ではなく頭の中にあるイメージを描き出し、色を載せていく。
いやはや本当にすさまじいことだと言葉を失い、口をあんぐりあけて上を見上げていた。
当時の建築道具や画材道具などが途中の空間に置かれている。
「え、こんなんで?」と思ってしまうものばかり。
しかし、今から500年以上も前と思うと、進んでいたのかもしれない。
ようやく、クーポラの最上部へ出る。
以下はそこから見える360度の大パノラマ。
やや左側に見えるのは「サンタクローチェ教会」
正面の高い塔はヴェッキオ宮(現在も一部は市役所となっている)。
その奥にウフィツィ美術館が繋がっているように見える(コの字型)。
トスカーナの山々。
低く流れるが全然重たさを感じない。
今にもつかめそうな処にあるのも夢があっていい。
なんだかゆったりしていて、いいなぁとぼんやり思う。
余談だけど、バリ島の雲も好きである。
雲はこうやって生まれるのか、、と海に浮かぶ雲を見ていると思う。
雲の影が海に映ったりして、これまたゆったりしている。
いいなぁとぼんやり思う。
さて、お昼に向かおう。
by gozirappa2
| 2016-12-08 21:13
| duomo